2014年9月10日水曜日

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

疲れ目かすみ目などの眼精疲労に効く漢方薬



現代社会はPCやスマホで目を酷使している


電車の中や待合室でふと時間が空いた時、
ついついケータイを取り出してしまうのではないでしょうか。

家に帰れば、テレビを見てインターネットで探しもの、
といった具合に目は休む暇なく働き続けます。

また仕事などで細かい作業をする場合は、
どうしても画面に集中せざるを得ないので、
眼精疲労はピークになって目のかすみや痛みを感じ、
ひどくなると頭痛や肩こり、めまいといった症状を引き起こします。



目と肝臓のつながり


目から入る情報はとても膨大なもので、
それを受け取るために神経や筋肉が大変発達しています。

そのため目を酷使すると、痛みや不具合が顕著に症状となって表れます。

また、中国の医学では目は肝臓と深い関わりを持ち、
それぞれがお互いに影響し合っているとされています。

肝は体内の気・血・津液を正常な状態に調節する役割を持つ、
いわば身体のかじ取り役です。

目の状態が悪くなるとそれが肝に伝わって、
イライラしたり気分が沈んだりするといったことが起こります。

肝の状態が悪くなったときもそれは目に伝わるので、
その病状によって目に黄疸や充血、乾燥などを引き起こします。



目の疲れを感じたら、杞菊地黄丸


目が疲れたと感じたら、目薬をさした後に漢方薬で内側から改善しましょう。
杞菊地黄丸は疲れや充血といった目の症状のほか、
耳鳴りや難聴にも効果があるとされています。

仕事で毎日パソコンを見なければならない方や物を注視して目を酷使している方、
加齢により目の衰えが気になる方におすすめの漢方薬です。



杞菊地黄丸が向いている人


  • 舌が赤い
  • 目がかすんだり、充血している
  • 目が痛い
  • 足や腰がだるく、脱力感がある
  • 顔や手足がほてる
  • 喉が渇く


比較的痩せていてのぼせやすく、
皮膚や粘膜が乾燥しがちな人向きの漢方薬です。
(肝腎陰虚)



杞菊地黄丸はこうした症状の場合に用いられます。


疲れ目、かすみ目、頭重、のぼせ、耳鳴り、難聴、排尿困難、
頻尿、むくみ、視力低下、飛蚊症、



杞菊地黄丸の効能


血を補って巡りをよくして、身体のすみずみまで必要な栄養分を届けます。

腎や肝の働きを活性化させ、余分な水分を排出しすると同時に、
身体にこもった熱を冷ますように促します。



杞菊地黄丸の成分と成分別の作用


地黄(ジオウ)ゴマノハグサ科ジオウ属の根茎
解熱、血糖降下作用、血圧を下げる、止血、血液増加、滋養強壮

山茱萸(さんしゅゆ)ミズキ科サンシュユの果実を乾燥したもの
止血、血圧降下、補血作用、補腎、鎮痙、収斂、滋養強壮、抗アレルギー 

山薬(さんやく)ヤマノイモ科ヤマノイモの根を乾燥したもの
止瀉、鎮咳、解熱、鎮静、滋養強壮、血圧降下

茯苓(ブクリョウ) サルノコシカケ科マツホド菌の菌核 
利尿、鎮痛、鎮静、血糖降下

牡丹皮(ボタンピ)ボタンの根皮 
古く滞った血を取り除き、血液を循環させる、排膿、消炎

沢瀉(タクシャ) オモダカ科サジオモダカの根茎
利尿、止渇、解熱、抗菌作用、血圧・血糖の降下作用、抗脂肪肝作用

枸杞子(くこし)ナス科クコの成熟した果実を乾燥したもの
補腎、血圧降下、血糖降下、消炎、利尿

菊花(キクカ)キク科の菊の花を乾燥したもの
解熱、消炎、解毒、抗菌、発散作用、視力の改善、毛細血管抵抗性増強、中枢抑制作用




使用上の注意



  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。



杞菊地黄丸の副作用


(注意)

  • 皮疹(皮膚のかゆみ、発疹、発赤)
  • 消化器 (吐き気、腹痛、胃部不快感、下痢)