2014年8月15日金曜日

五苓散(ごれいさん)

二日酔い、乗り物酔いの吐き気を抑える漢方薬


吐き気や嘔吐、むくみなどの水毒の症状に


二日酔いで吐き気がする、頭が痛い。
乗り物酔いしやすく、ドライブをしていてもすぐ気分が悪くなり吐いてしまう。

このような状態になった時におすすめの漢方薬が五苓散です。

五苓散はアルコール代謝を促す働きがあり、取り過ぎた水分を排出する為、
二日酔いに効果的です。

また、乗り物に酔いやすい原因として、
自律神経の乱れや平衡感覚をつかさどる三半規管が弱いことがあげられます。

三半規管は耳の奥の内耳にあり、血流やリンパ液などの水分と深く関わりがあります。
ここに余分な水分が溜まったり、血流の流れが悪くなると、めまいや吐き気がおこります。

こうした水毒からくる症状を改善し、体内の水分のバランスを整え、
嘔吐や吐き気、むくみといった不快な症状を抑える漢方薬が五苓散です。



4つの生薬が体内の水分バランスを調整


人の体の半分以上は水分でできています。

体内に摂取された水は、やがて血液や体液となって体中を巡り、
細胞組織を作ったり、不要な老廃物などを体外へ排出したりします。

しかし生活習慣の乱れやストレスなどで体内の水分のバランスが崩れると、
それはさまざまな症状となってあらわれます。

五苓散の内の4つは「水」を原因とした症状に効果的な生薬です。

五苓散はいわば体内の交通整理役で、細胞などに余計な水分が溜まっているときは排出を促し、不足しているときには水分を補うといった役割を果たします。



五苓散が向いている人


のどが渇いてよく水分をとる
尿が少ない、尿の出が悪い
汗が出る
むくみがち
のぼせる
二日酔、または二日酔いしやすい
乗り物酔い、または乗り物酔いしやすい

体力を問わず、口が渇いてむくみやすく、尿の出が悪いまたは尿量が少ない人向きの漢方薬です。


五苓散はこうした症状の場合に用いられます。


吐き気、嘔吐、むくみ、めまい、頭痛、腹痛、下痢、二日酔い、
乗り物酔い、暑気あたり、胃内停水、胸やけ、尿毒症、
ネフローゼ、急性胃腸カタル


五苓散の効能


細胞内や消化器官の余分な水分を血液へと流し、尿として排出します。
体内の水分バランスを整え、代謝を促す作用があります。
血の流れを良くして消化吸収活動を活性化します。



五苓散の成分と成分別の作用


沢瀉(タクシャ) オモダカ科サジオモダカの根茎
利尿、止渇、解熱、抗菌作用、血圧・血糖の降下作用、抗脂肪肝作用

茯苓(ブクリョウ) サルノコシカケ科マツホド菌の菌核 
利尿、鎮痛、鎮静、血糖降下

猪苓(チョレイ)サルノコシカケ科チョウレイマイタケ
利尿、解熱、止渇、消炎作用

蒼朮(ソウジュツ)キク科ホソバオケラの根茎 又は白朮(ビャクジュツ)キク科オオバナオケラの根茎
水分代謝を正常に保ち、不要な水分を排出、消化吸収を高める

桂皮(ケイヒ)桂枝(ケイシ) クスノキ科トンキンニッケイ等の樹皮、枝の中身
発汗、血行を良くする、解熱、鎮痛、のぼせの緩和、枝より皮の方が作用が強い


相乗効果のあるもの

沢瀉+茯苓+猪苓+蒼朮または白朮  利尿作用、体内の不要な水分を排出



使用上の注意


  • 脱水症状があるときは服用しないでください。
  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談してください。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談してください。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談してください。



五苓散の副作用



  • 皮疹(皮膚のかゆみ、発疹、発赤)

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